一般財団法人環境イノベーション情報機構
アメリカ環境保護庁、発電所に対する規制緩和案を公表
【エネルギー その他(エネルギー)】 【掲載日】2025.06.30 【情報源】アメリカ/2025.06.11 発表
アメリカ環境保護庁(EPA)は、大気浄化法(CAA)に基づく電力部門の主要な温室効果ガス(GHG)排出基準と水銀・大気有害物質基準(MATS)に関する規制緩和措置の案を公表した(注)。前者は、新設の化石燃料火力発電所に対する2015年の排出基準(オバマ政権時代)、及び新設・既設の化石燃料火力発電所に対する2024年の規則(バイデン政権時代)の撤廃である。
新設・既設の同発電所に課せられた最も負担の大きい排出規制(排出ガイドライン、炭素回収及び隔離・貯留要件)を撤廃し、新設の天然ガス発電所に対する効率ベースの規制について検討するという。
後者は、石炭・石油火力発電所を対象としたMATSの改正(2024年)を一部取り消し、有害大気汚染物質の大幅な排出削減をもたらした2012年の基準に戻すことである。
具体的には、改正で強化されていた石炭火力発電所に対する捕集可能な粒子状物質(PM)排出基準と褐炭火力発電所に対する水銀排出基準、及びPM連続排出監視システム(CEMS)の利用義務を適用免除にするという。
(注)EPAは2025年3月12日、偉大なアメリカの復活に向けて31件の規制緩和措置を講じると発表していた。
今回の案が最終決定されれば、節約できる電力部門の規制コストは、前者が2026年からの20年間で190億ドル、後者が10年間で12億ドルになると試算されている。
【アメリカ環境保護庁】