一般財団法人環境イノベーション情報機構
国連環境計画、2030年予想排出量は2℃目標達成には12〜14ギガトン超過と報告
【地球環境 地球温暖化】 【掲載日】2016.11.21 【情報源】国連/2016.11.03 発表
国連環境計画(UNEP)は、現時点での排出削減計画がすべて実施されても、2030年の温室効果ガスの排出量はパリ協定が目指すレベルを12〜14ギガトン上回るとし、各国は大幅な排出削減へ向け迅速に行動する必要があると2016年11月3日に公表した「排出ギャップ報告書」(2016年)で示した。それによると、各国がパリ協定のために約束した排出削減をすべて実行に移したとしても、2030年の世界全体の排出量は54〜56ギガトンに増えると予想され、この場合、今世紀中の地球の気温上昇は2.9〜3.4℃となると予想される。気温上昇を2℃未満に抑えるというパリ協定の目標を実現する可能性を高めるには、温室効果ガスの排出量を2030年時点で42ギガトンに抑える必要があり、12〜14ギガトンの差(ギャップ)がある。報告書は、この差を埋めるためさらに25%の排出削減が必要だとし、2020年までの削減策の強化、費用対効果の高いエネルギー効率の向上策のほか、都市や企業、市民団体など国家以外の主体(NSA)の活動に大きな排出削減の可能性があると指摘している。【国連環境計画】