世界銀行　世界開発報告書　市場至上主義を是正

【地球環境 国際環境協力】 【掲載日】2002.09.02 【情報源】その他／2002.08.21 発表

　世界銀行は、8月21日、「世界開発報告2003（World　Development Report 2003）」を公表。今年のレポートは、貧困削減を推し進める上で、自由市場と経済成長とが圧倒的に重要だとする見方に対して、より懐疑的なものとなっている。報告書は、開発政策は自然資源や社会資産の保護に、一層的を絞る必要があると述べる。
　ヨハネスブルグ世界サミットを念頭に置いた今回のレポートでは、現在の開発パターンは持続可能ではなく、早急に対策を打たなければ社会や環境に深刻な影響が及ぶとしている。また、市場の失敗を是正し、相反する様々な利益や持続可能性に配慮するため、地域、国、世界レベルで新たな協調体制を築く必要があると論じている。
　さらに、持続可能な開発を保証する負担は、地域、国家、グローバルなレベルで分かち合わなければならないと強調している。先進国に対しては市場開放や農場補助金の削減、途上国に対しては参加型の開発や民主主義、透明性を促進する必要があるとする。【世界銀行】