一般財団法人環境イノベーション情報機構
EU 廃プラスチックに関する議論喚起を目的としたグリーンペーパーを公表
【ごみ・リサイクル リサイクル】 【掲載日】2013.03.18 【情報源】EU/2013.03.07 発表
欧州委員会は、プラスチック製品の総合的なライフサイクルにおける持続可能性と廃プラスチックの環境への影響削減に関する構造的な議論喚起を目的にした政策策定提案文書であるグリーンぺーパーを作成し、意見を募集することを公表した。海洋環境をはじめとする環境に放出された廃プラスチックは、何百年も残留する。主にプラスチックからなる年間1000万トンの廃棄物が、海に投棄されており、海洋が廃プラスチックの世界最大の廃棄場所となっている。プラスチックは、使い捨て社会の中で、安価のワンウェイ素材と捉えられ、リサイクル率は低い。グリーンペーパーでは、このような事実を指摘しつつ、プラスチックが産業プロセス・産業利用において重要な役割を担い、リサイクル率の向上による経済的価値の可能性について強調している。世界人口の増加や自然資源の枯渇により、プラスチックのリサイクルは資源の代替として活用できることを指摘。思考の転換を進めるために条件を改善し、環境投資やプラスチック製品のデザインにおける廃棄物の発生回避とリサイクルの考慮を促している。現時点では、廃プラスチックに特化した課題は、EU廃棄物法では特別に規定されていない。グリーンペーパーは、廃プラスチックの影響を評価し、それを軽減するためのEU戦略を策定するために、事実と意見を集約することを目指しており、ステークホルダーに対し、26の質問項目において構成されるコンサルテーションを提示している。提出期限は2013年6月初旬までで、その結果は、廃棄物再利用と廃棄物埋め立てに関する現行の目標値の評価や様々な廃棄物の流れを規定する5つの指令の事後評価といった2014年に行われる廃棄物政策の全般的な改定において考慮される。【欧州委員会環境総局】