一般財団法人環境イノベーション情報機構
ドイツ 生分解性プラスチック容器包装には環境面での長所がないとする研究報告を公表
【ごみ・リサイクル リサイクル】 【掲載日】2012.10.22 【情報源】ドイツ/2012.10.08 発表
ドイツ連邦環境庁は、研究報告書「生分解性プラスチック容器包装の環境影響」を公表した。これは、連邦環境庁の委託により、ハイデルベルク・エネルギー・環境研究所が実施したもので、85のライフサイクルアセスメントや研究、専門論文の評価を行った。生分解性プラスチック容器包装には、容器包装令16条2項により、市場導入を容易にするための特例が設けられている。生分解性プラスチック容器包装の生産者や販売者は、容器包装の回収システムに参加する必要がなく、さらに少なくとも75%が再生可能資源によって生産されている飲料容器においては、デポジット制度の対象外となっている。これらの特例の期限は、2012年12月31日となっており、今回の研究は、環境保全の観点から、これらの特例が正当であるか審査するために実施された。調査の結果、生分解性プラスチック容器包装は、通常の容器包装と比較し、環境面では長所がないという結果が出された。通常のプラスチック容器包装と比較すると、CO2排出量は少なくなるものの、これらの容器包装に利用する植物の栽培と加工により、土壌は酸性化し、水域は富栄養化が進む。さらに、粒子状物質の排出量も高い。2009年の調査では、生分解性プラスチック包装容器の市場での割合は最大で0.5%であった。フラスバース連邦環境庁長官は、「生分解性プラスチック容器包装は、CO2排出量は少ないが、他の環境負担において短所がある。研究結果により、回収義務の免除などの特例は延長されない」とコメントした。【ドイツ連邦環境庁】