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環境ニュース[海外]

中国 金属リサイクル産業の現状

ごみ・リサイクル リサイクル】 【掲載日】2007.05.25 【情報源】中国/2006.03.06 発表

 2005年末、国務院は「産業構造調整促進暫定規定」を公布し、国家発展改革委員会は「産業構造調整指導目録」を公布した。これを受けて関連部門は金属リサイクル産業を循環経済の重点分野に組み入れ、「指導目録」の奨励すべき産業に対する要求も中国の金属リサイクル産業の発展の現状に適合し、金属リサイクル産業の省エネや余熱利用分野では、他の工業分野よりも優れている。
 中国の金属リサイクル工業は1995年に始まり、産業政策、産業連関、研究、設備など一連の問題に加えて、金属リサイクル産業の主要な経営者が民間であったために、「小規模、乱立、分散」型の作業場といった顕著な特徴があった。このため中国の金属リサイクル産業は、エネルギー消費型、低生産額、低効率といった状態が続いた。90年代末ごろから、中国政府の金属リサイクル産業に対する認識を高め、関連の産業政策、研究や資金面での支援策が次々定められ、設備や技術も更新され、今では大中型金属リサイクル企業のエネルギー利用効率も68%以上にまで向上した。
 銅陵集団有限公司は国有大型有色金属生産企業である。ここ数年、同集団は研究、設備、生産工程の改造に力を入れ、世界最先端の生産設備を導入してエネルギー利用効率を以前の38%から70%以上にまで向上した。2010年にはエネルギー利用・余熱回収利用効率を85%以上に引き上げる目標もある。
 2005年、上海新格有色金属有限公司は、再生アルミの溶解精錬過程で永久磁力撹拌技術を導入した。クリーナープロダクション実施のもとで、再生アルミ合金の品質は顕著に高まり、金属シリコンやアルミなど金属成分の利用率が大幅に高まった。
 安徽省亳州市延齢再生金属福利有限公司が自主開発した二槽反射炉により、再生アルミの融解精錬過程での石炭使用量を300〜400kg/トンから150kg/トンにまで削減した。
 中国の金属リサイクル産業は省エネや環境保護の分野で一定の成果が上がったが、先進国の企業と比べるとまだ距離がある。粗銅生産時の単位あたりエネルギー消費は先進国より4割高、酸化アルミは5割高となっている。
 中国有色金属工業協会の予測によれば、2020年までに金属リサイクル産業は、エネルギー消費型、低効率、汚染型の粗放な成長方式から、エネルギー節約型、高効率、低汚染の持続的な成長方式に転換されるとしている。2020年には、有色金属のリサイクル量は1200万トンで全生産量の4割を占め、省エネ量石炭換算4.68億トン、節水量47億トン(2003年有色金属産業全体の用水量の3.1倍)、固形廃棄物排出削減量26億トン(2003年有色金属産業全体の排出量の2.6倍)、工業生産額2400億元以上となる。ここから、金属リサイクル産業の発展は、大きな資源保護効果、経済効果、環境効果を備えていることがわかる。【中国環境報】

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