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環境ニュース[海外]

欧州 気候変動の影響で南北格差が広がるおそれ

地球環境 地球温暖化】 【掲載日】2001.04.04 【情報源】イギリス/2000.11.01 発表

 気候変動によって、欧州北部の富める国々はますます栄え、南東部の貧しい国部は大きな打撃を被るだろう・・・EUの補助を受けた欧州の研究グループが、11月1日、こうした研究結果を公表した。
 研究をとりまとめたイースト・アングリア大学のマーティン・パリー教授(Martin Parry)は、「気候変動によって、ロンドン、パリ、フランクフルトなどの大都市は過ごしやすくなり、メリットもあるかも知れない。しかし、ヨーロッパの貧しい地域は、砂漠化や水不足、森林火災などに苦しみ、もっと貧困にあえぐことになりそうだ」という。
 研究結果によると、欧州北部では、2020年までに、寒さの厳しい冬が訪れる頻度は半分程度に減り、暖房用のエネルギー消費は減少。農業や林業の生産性は向上し、建設業など屋外の産業も活性化するという。
 一方、南部では、2020年までに、猛暑の訪れる頻度が倍増し、エアコンの必要性が増加。水の供給量は4分の1に落ち込み、農業生産量が減少するという。また、南部のビーチの気温が非常に高くなることもあり、観光客が減少すると予測している。
 研究は、ヨーロッパ全体で、今後10年間に気温が0.1℃〜0.4℃上昇するという予測に基づいて行われている。特に、スペイン、イタリア、ギリシャなどの南部諸国、フィンランド、西部ロシアなどの北東諸国、大西洋沿岸などの地域では、気候の温暖化が進むと予測されている。
 パリー教授は、欧州北部への大規模な移住を防止するため、南部地域への支援が必要になると見ており、EUの農業、漁業、地域開発、地下水生物多様性、自然生息地に関する政策を見直すよう提案している。【イギリス環境・運輸・地域省】

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