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環境ニュース[海外]

気候変動枠組条約第6回締約国会議スタート

地球環境 地球温暖化】 【掲載日】2001.04.04 【情報源】その他/2000.11.13 発表

 11月13日、気候変動枠組条約第6回締約国会議が、オランダのハーグで開幕した。会議には、184カ国が参加。各国代表の他、国際組織、NGO(270団体)など1万人を越える人々が集まっている。オランダ環境大臣Jan Prunk氏を議長に、24日まで会議が開かれる。
 会議では、第1週に技術的な事項について事務レベルでの協議を行った上、第2週(20日から)は閣僚レベルでの政治的な話し合いがスタートする。
 しかし、炭素吸収源シンク)、排出取引など詰めるべき課題も多々残されている。シンクについては、森林・農地を含めたいアメリカ、オーストラリア、日本等のグループと、これを認めると大きな抜け穴になるとして反対しているEU諸国とが厳しく対立している。アメリカは、森林及び農地によるCO2吸収量を年間約3億1000万トンと見積もっており、これで削減目標の約半分以上を達成できると見ている。一方、EUは森林は伐採される可能性があり、科学的にも削減効果が定かではないとしている。
 また、排出取引については、コストエフェクティブにCO2を削減できるとして大規模に実施したいアメリカと、自国内での取組が優先で、排出取引による削減は削減目標の50%以内に止めるべきだというEUとの隔たりが大きい。アメリカは、京都議定書の目標達成のため、排出取引を使うと75%近く費用を節減できるという。アメリカは、途上国との自主協定による排出削減を進めており、気候変動枠組条約の批准に反対し続けているアメリカ上院も、これが認められることを批准の条件としている。一方、EUは、たまたま経済不況などで削減目標をクリアした国が他国に排出権を売ると、その分の排出、いわゆるホット・エアー(hot air)を容認することになり、削減意欲が失われていくとして反対している。
 これらの議論とは別に、石油産出国は、石油輸出減少による損失を補償すべきだという主張を展開しており、ナイジェリア大統領は、「気候変動に関する国際交渉の態度は、石油生産の心臓部に杭を打ち込むものだ」と述べている。
 こうした状況の中、ハーグの交渉は失敗に終わるのではないか という憶測も出ている。トロントのコンサルタント会社エンバイロニクス・インターナショナルの調査によると、国際問題専門家の約半数近くが、ハーグの会議で京都議定書は生き残れないと述べた。なお、マサチューセッツ工科大学のヘンリー・ジャコビー氏は、貿易自由化に向けた50年の歩みに例えながら、交渉が失敗しても、京都議定書は有用な枠組みとして残り、各国は議定書と緩やかに連携しながらも独自に地域の政治状況に応じた対策を進め、先進国のいくつかの国やグループがリーダーとなって交渉を進めるのではないかと述べている。

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