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環境ニュース[国内]

原発の告発情報2件の調査結果公開 16年12月17日までの調査終了分

エネルギー 原子力】 【掲載日】2004.12.20 【情報源】原子力安全・保安院/2004.12.17 発表

 原子力安全・保安院内に設置された「原子力施設安全情報申告調査委員会」は平成16年12月17日付けで、原子力施設に関する告発情報2件に対する調査結果を公表した。
 今回公表された告発情報は16年11月16日から12月17日までの間に裏付け調査が完了したもの。
 このうち1件は匿名の手紙による告発で、茨城県東海村にある日本原子力発電(株)の原子力発電所で、「放射線管理区域から人が退去する場合と物品を持ち出す場合とで汚染検査判定基準に開きがある」、「中性子被ばく時の被ばく線量が印刷されず、通知実績に数字として残っていないと聞いた。また作業者の被ばく線量を積算した合計線量とコンピュータが出力した全作業者の被ばく線量合計に差があるが、線量データを改ざんしているのではないか」−−などを内容とするものだった。
 これに対する調査結果としては、「日本原子力発電東海第二発電所では社内規定で体表面モニター警報値は1平方センチあたり2ベクレル、管理区域からの物品搬出運用基準値は1平方センチあたり1ベクレルと差を設けているが、測定器の性能や測定時間を考慮したもので、いずれも法令上の線量限度1平方センチあたり4ベクレルより小さい」、「管理区域退出時にはガンマ線のみによる被ばく線量を通知し、中性子線による被ばく線量が放射線業務従事者に通知されることはないが、線量個人通知書にはガンマ線、ベータ線、中性子線による被ばく線量合計を通知しているため、ベータ線や中性子線による被ばくがあった場合、退出時に通知される被ばく線量の3か月間の合算数値と線量個人通知書の数値とは異なる場合がある」などの内容が示され、法令違反や安全上の問題は確認されなかったと結論された。
 なお、もう1件の告発も匿名の手紙によるもので、同じく東海村にある日本原子力発電の原発で「検出器の校正に不可欠なパラメータであるサム・コインシデンス効果を取り入れずに、排気筒から放出される放射能量を国や県に報告している」、「液体廃棄物汚染を検査する放流管理室が管理区域に設定されていない」、「内部被ばく線量を外部測定法であるホールボディカウンターで測定している」−−という内容。
 これに対しては「9年2月以降、ゲルマニウム半導体検出器にサム・コインシデンス効果による補正を取り入れている」、「放流管理室は外部放射線の線量が管理区域に設定すべき値を超えたことがないことから、9年に管理区域から解除されている」、「ホールボディカウンターでは体内に摂取された放射性物質から放出されるガンマ線やエックス線を測定する方法で内部被ばく測定に一般に用いられている」との調査結果が示され、同じく法令違反や安全上の問題は認められないと結論された。
 なお、日本原子力発電は放流管理室についての告発内容を踏まえ、念のため、同室で試料の飛散防止策や、飛散時の対応を明確化し16年11月30日付けで社内規則を改定したとしている。【原子力安全・保安院】

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