一般財団法人環境イノベーション情報機構

ヘルプ

サイトマップ

メールマガジン配信中

環境ニュース[国内]

化学物質過敏症の13・14年度研究成果を発表 原因特定できず 

健康・化学物質 有害物質/PRTR】 【掲載日】2004.02.13 【情報源】環境省/2004.02.13 発表

 環境省は平成16年2月13日、本態性多種化学物質過敏状態(化学物質過敏症)の病態を解明するための疫学研究について、13・14年度研究成果をまとめた報告書を公表した。
 同省では、平成9年に本態性多種化学物質過敏状態についての研究班を設置し、病態解明のために、動物実験や二重盲検法(注1)による研究を実施してきた。
 平成11・12年度に実施した疫学研究では、患者8名・非患者4名を対象に二重盲検法による実験を行ったが、症例数の不足で明確な結論に至らなかったため、今回公表された研究では、被験者数を32名(すべて患者)に増やすとともに、以前の被験者に対し同一試験を再実施。再現性を検証することにより、微量のホルムアルデヒド曝露と症状誘発との間の関連性を調べた。
 しかし結果としては、人によって自覚症状がさまざまで、11・12年度調査同様、原因についての明確な結論が導き出せなかった。
 研究班ではこの結果を踏まえ、化学物質過敏症の中には、化学物質以外のダニやカビ、心因などの原因による病態が含まれていると推察。今後さらに対象者数を増やして実験を続け、検証を行っていくとした。
 一方、発症メカニズムの解明のために実施した、マウスによる動物実験の結果では嗅覚系のニューロンの活動の増強、視床下部−下垂体でのホルモン産生の障害、脳内海馬におけるシナプス伝達の異常が明らかになり、化学物質の曝露により何らかの影響を与える未解明の病態の存在が示唆された。
 また今後は指針値を超えるような化学物質と接触することによる未解明の病態の研究を中心に実施していく必要があると指摘している。
 
(注1)原因物質と思われるガスの濃度を被験者にも試験者にも知らせないまま変えていきながら、被験者にガスをあて、症状の変化との相関を調査する疫学的調査手法。【環境省】

情報提供のお願い(企業・自治体の方へ)

記事に含まれる環境用語

プレスリリース

関連情報

関連リンク