一般財団法人環境イノベーション情報機構
モントリオール議定書第15回締約国会合、臭化メチル問題で紛糾
【地球環境 オゾン層】 【掲載日】2003.11.21 【情報源】環境省/2003.11.17 発表
2003年11月10日から14日までケニアのナイロビで、オゾン層破壊防止について話し合う「モントリオール議定書第15回締約国会合」が開催された。今回の会合には締約国124か国の代表約370名とNGO約100名が参加。
(1)1999年に採択された北京改正の早急な批准の要請と、2004年から適用される未批准国と先進国のHCFCなどについての貿易規制の当面の緩和、(2)ぜんそく用吸入薬に対して認められているCFC規制についての特例の縮小−−などが合意されたほか、(3)オゾン層破壊物質の破壊技術の基準や破壊を行う場合の運用方法、(4)断熱材廃棄時の措置の検討と2005年4月までの報告書作成−−が決定した。
また(5)科学パネル、環境影響パネル、技術・経済評価委員会(TEAP)による統合報告書で、「モントリオール議定書が完全に遵守されたとしても、今後10年間は成層圏オゾン層が脆弱なままである」との予測が記載されていることが説明された。
このほかには臭化メチル問題について議論が紛糾した。(6)途上国に対する臭化メチルの生産・消費量の削減スケジュールを前倒しする議定書調整案が途上国側の反対により合意に至らなかったほか、(7)2005年から消費・生産を全廃するとされている先進各国の不可欠用途(代替困難で特例として使用が認められる用途)申請が、米国の申請量が突出して多かったことが要因で決定されなかった。
なお臭化メチルの規制措置については引き続き議論を継続する必要があるため、2004年にも臨時締約国会合を開催することになった。【環境省】