一般財団法人環境イノベーション情報機構
2003年10月の平均オゾン全量、昭和基地で低い傾向続く
【地球環境 オゾン層】 【掲載日】2003.11.21 【情報源】気象庁/2003.11.20 発表
気象庁は、札幌、つくば、鹿児島、那覇の国内4地点と南極の昭和基地で、上空のオゾン量の観測や地上に到達する有害紫外線の強度の観測を行っており、その結果を毎月1回発表している。2003年10月の観測結果では、国内4地点の月平均オゾン全量(ある地点の上空のオゾン総量)は札幌、つくば、鹿児島では並だったが、那覇では10月の平均値としては観測史上最も多い270ミリアトムセンチメートルを記録。
一方、2003年秋に観測史上2番目に大きなオゾンホールが出現した南極の昭和基地では、10月の平均値としては観測史上3番目に少ない159ミリアトムセンチメートルを記録した。昭和基地では9月にも月平均値観測最少値が記録されており、オゾン総量が少ない状態が続いているとみられる。
また、米国・航空宇宙局(NASA)のアースプローブ衛星のデータと気象庁の観測値から作成した全世界の月平均のオゾン全量分布について、参照値である1979年から1992年の月別平均値との偏差を解析した結果では10%を超えるオゾン総量増加が南太平洋域で見られた一方で、10%を超えるオゾン総量減少が南極大陸とその周辺、北大西洋域で見られた。特に、東経0度から90度までの南極大陸沿岸では30%を超えるオゾン総量減少地域も確認されている。【気象庁】