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環境ニュース[国内]

原子力施設への告発情報2件について調査結果を公開 15年5月14日までの調査終了分

エネルギー 原子力】 【掲載日】2003.05.15 【情報源】原子力安全・保安院/2003.05.14 発表

 原子力安全・保安院内に設置された「原子力施設安全情報申告調査委員会」は2003年5月14日、同委員会に寄せられていた原子力施設に関する告発情報のうち、裏付け調査が完了した案件について調査結果の公開を行った。
 「原子力施設安全情報申告調査委員会」は関係者の内部告発がきっかけで、原子力発電所の自主点検記録についての一連の不正が発覚したことを受け設置された組織。外部専門家により構成され、保安院に寄せられた個々の告発情報の対応方針を決める権限を持ち、この方針に基づいて原子力安全・保安院の担当官が行った調査内容が適切であるかチェックを行うことになっている。
 今回公表された告発情報は2003年5月14日までの間に原子力安全・保安院に情報が寄せられ、裏付け調査が完了したもので、(1)東京電力福島第一原子力発電所4号機で1988年頃行われた定期検査時に、原子炉格納容器圧力抑制室で塗装剥離が発見され修理が行われていたとの指摘、(2)核燃料サイクル開発機構大洗工学センターで1983年頃に実施した「もんじゅ」のライナ構造条件を反映したナトリウム燃焼試験で、設計温度より高温となった試験データのデータ隠しが行われていた可能性があるなど、「もんじゅ」の設置許可の根拠となる資料に不備があったとの指摘−−の2件であった。
 (1)の告発で申告者は、原子炉格納容器の塗装剥離は非常用炉心冷却装置(ECCS)系の吸込型濾過器の目詰まりを引き起こしECCSによる冷却機能低下を招く可能性がある重大な事象と指摘しているが、これに対し原子力安全・保安院は福島第一原発での塗装修理は塗装剥離によるものではなく、赤錆の発生により実施されたことが記録に残っていると説明。法令違反や安全上の重大な問題ではなかったと結論したが、原子炉格納容器内の塗料の選定基準、管理基準を電気技術指針(JEAG)、電気技術規程(JEAC)などの民間規格民間規格で整備していくことが望ましい、とまとめた。
 また(2)については大洗工学センターのナトリウム燃焼試験に関する試験報告書を調査した結果、当初のもんじゅ設置許可申請書の床ライナの設計温度と比べ、70〜380℃上回った試験データが存在していたことが確認されたが、データは公開資料で極秘扱いではなかったと説明。ただしこの件は係争中の「もんじゅ」の設置許可に関する裁判に関わる内容であるため、裁判で判断がされることが適当であると結論した。【原子力安全・保安院】

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