一般財団法人環境イノベーション情報機構
2002年の地球全体と日本のオゾン層状況報告書まとまる
【地球環境 オゾン層】 【掲載日】2003.04.09 【情報源】気象庁/2003.04.09 発表
気象庁は2002年の地球全体と日本のオゾン層の状況をまとめた「オゾン層観測報告:2002」をまとめ、同庁ホームページにも全文を公開した。報告によれば、2002年の南極オゾンホールは、最大時の面積が1991年の以降最小でしかも形状が変形、2つに分裂し、1989年以降最も早く消滅したという特徴があった。
オゾンホールが小規模で消滅が早かったのは南極上空の低気温の西風の流れ(極渦)が不安定で、オゾンホールの内側の空気と外側のオゾン濃度の高い空気が混ざりやすかったこと、成層圏の気温がこの20年間観測されたことがないほど高まり、オゾン破壊を促進するマイナス78℃以下の領域の面積が小さかったことなどの要因があった。
また地球全体の長期観測結果では、低緯度を除いてオゾン全量(ある地点の上空のオゾン総量)の減少傾向が続いており、特に高緯度の春季の減少は顕著。国内の観測結果でも、札幌、つくば、鹿児島の国内3地点でオゾン全量の減少傾向が見られるという。
なお、この報告書には、世界気象機関(WMO)が最近のオゾン層の状況と今後の見通しに関する科学的知見をとりまとめた「オゾン層破壊に関する科学アセスメント:2002」の総括要旨和訳も掲載されている。【気象庁】