一般財団法人環境イノベーション情報機構
王子HD、植物由来の「ポリ乳酸ラミネート紙」開発
【ごみ・リサイクル リサイクル】 【掲載日】2022.07.11 【情報源】企業/2022.04.19 発表
王子ホールディングス株式会社と、グループ会社の王子パッケージング株式会社は、植物由来原料のポリ乳酸を使用した、ポリ乳酸ラミネート紙の開発に成功したことを発表。紙コップや牛乳パックなどとして使われるラミネート紙は、紙基材にプラスチックを溶融押出して積層した複合材。プラスチック層があることで、加熱接着するヒートシール性や、水や油を通さない耐水耐油性を有している。
一方で、一般的にラミネート紙は可燃ごみとして扱われる。また牛乳パックなどリサイクルシステムが構築されたものでも、紙原料から取り除かれたプラスチック部分は燃料などとして利用される(サーマルリサイクル)。従来、このプラスチックは石油由来であるため、燃やされることで温室効果ガスであるCむが排出されていた。
そこで同社は、これまでのラミネート紙製造で培ったノウハウをベースに検討を進め、石油由来プラスチックを使用せずに、植物由来のポリ乳酸を使用したラミネート紙の開発に成功した。
ポリ乳酸は、植物由来であるため燃焼しても大気中のCO2を増やさず(カーボンニュートラル)、コンポスト条件下で生分解する環境負荷の低いプラスチックです。本開発品は、ポリ乳酸を使用することで石油由来プラスチック削減に貢献でき、かつ従来品同等のヒートシール性や耐水耐油性を有するラミネート紙になる。
同社は、今後も紙製品の製造技術を活かした環境配慮型製品の開発を進め、持続可能な社会の構築に貢献していく、としている。
【王子ホールディングス株式会社】