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環境ニュース[国内]

「東電の品質保証体制に問題あり」 福島第1原発1号機の格納容器検査不正報告書の評価

エネルギー 原子力】 【掲載日】2002.12.25 【情報源】原子力安全・保安院/2002.12.24 発表

 原子力安全・保安院は平成14年12月24日、東京電力(株)から提出されていた、福島第1原子力発電所1号機の格納容器漏えい率検査不正問題の最終報告書に対し、同院としての評価結果をまとめ公表した。
 福島第1原発1号機では、平成3、4年に行った第15・16回定期検査の中で、格納容器検査について悪質な不正が行われていたことが判明し、14年11月29日から15年11月28日までの1年間原子炉運転停止処分が行われることが決定済み。
 なお14年12月20日に退出された東電の最終報告書は、福島第1原発1号機の第15・16回定期検査での漏洩率検査についての詳細な事実関係やこれ以外の東電全原発の漏洩率検査での不正の有無を報告していたもので、不正行為が行われた動機を、(1)夏期の電力需要逼迫、(2)大型の改造工事・トラブルの頻発による稼働率低迷−−という条件が重なったことで、点検・保修関係者に稼働を優先する雰囲気が強くなり、根気強くトラブルに対応するという姿勢が欠けたためと分析している。
 今回の原子力安全・保安院の評価は、発電所保修部門の関係者がこのような動機で不正を行ったことについて、「同社全体の安全に対する姿勢や品質保証体制に問題があった」と指摘。また、作業を請け負った日立製作所についても、「企業倫理や品質保証活動の上で顧客からの不正行為の要求を拒否、防止できる体制が構築されていなかったことが問題である」と断じた。
 一方、行政としても、事業者が作成する検査手順書の審査の徹底や、検査の品質保証基準制定などの措置を行う必要があると自己分析。あわせて日本の中で、電力会社が安全確保を企業文化として醸成していくための取り組み強化の必要性を強調している。
 なお福島第1原発1号機の健全性については12月5日に行われた原子炉格納容器漏えい率検査の再実施の結果から問題がないとの判断を示しており、同機以外の炉での不正操作はなかったとしている。【原子力安全・保安院】

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