一般財団法人環境イノベーション情報機構
豊能郡美化センター元職員らの血液中ダイオキシン類濃度 13年度は10年度の44.2%に低下
【健康・化学物質 ダイオキシン】 【掲載日】2002.12.13 【情報源】厚生労働省/2002.12.12 発表
厚生労働省は平成14年12月12日に、大阪府豊能郡美化センター元職員らの血液中ダイオキシン類濃度の追跡調査結果と全国の廃棄物焼却施設職員に対して行った血液中ダイオキシン類濃度調査の平成13年度分の分析結果を公表した。この調査は同省が中央労働災害防止協会に設置した「清掃作業従事者のダイオキシンばく露による健康影響に係る調査研究委員会」で実施しているもの。
豊能郡美化センターについては、平成9年に同センターの一般廃棄物焼却炉の欠陥が原因となった周辺地域の高濃度ダイオキシン汚染が判明。廃炉が決定し、解体されたが、平成10年にセンター元職員らを対象に調査を実施したところ、血液中のダイオキシン濃度平均値が一般住民のほぼ10倍にあたる286.3pg−TEQ/g脂肪の高濃度となっていることが明らかとなり、その後年1回のペースで追跡調査が行われてきた。
公表内容によると、豊能郡美化センター元職員らの血液中ダイオキシン類濃度は、調査初年度の平成10年度から比べると年々減少傾向にあり、10〜13年度まで継続的に調査を実施している17名の濃度平均値は、10年度調査の値の44.3%にあたる126.7pg−TEQ/g脂肪となっていた。
一方全国の廃棄物焼却施設職員を対象とした健康影響調査は平成11年度から実施されているもので、13年度は6つの廃棄物焼却施設と廃棄物焼却施設解体工事現場1か所で働く110名を対象に調査。このうち6つの廃棄物焼却施設の労働者104名の血液中ダイオキシン類濃度は平均21.3pg−TEQ/g脂肪、解体工事現場の労働者6名の血液中ダイオキシン類濃度の平均は解体前後いずれの値も20pg−TEQ/g脂肪台で、平成12年度に環境省が行った一般住民の測定値と同程度であった。【厚生労働省】