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環境ニュース[国内]

福島第1原発1号機の格納容器検査不正の動機 「トラブル対処より稼働優先」の心理働く

エネルギー 原子力】 【掲載日】2002.12.11 【情報源】原子力安全・保安院/2002.12.11 発表

 東京電力は平成14年12月11日、同社福島第1原子力発電所1号機で格納容器漏えい率検査で不正が行われていた問題についての最終報告書を原子力安全・保安院に提出。1号機の検査業務を行っていた日立製作所も同じ11日に社内調査結果に関する報告書を保安院に提出した。
 福島第1原発1号機では、平成3、4年に行った第15・16回定期検査の中で、格納容器検査について悪質な不正が行われていたことが判明し、14年11月29日から15年11月28日までの1年間原子炉運転停止処分が行われることが決定済み。
 今回の東電の報告は、福島第1原発1号機の第15・16回定期検査での漏洩率検査についての詳細な事実関係や、これ以外の東電全原発の漏洩率検査での不正の有無を調査したもの。
 福島第1原発1号機以外には不正行為の存在はなかったとするが、福島第1原発1号機については第15・16回定期検査で複数の社員の関与のもとに不正行為が行われたことを認め、その動機を、(1)夏期の電力需要逼迫、(2)大型の改造工事・トラブルの頻発による稼働率低迷−−という条件が重なったことで、点検・保修関係者に稼働を優先する雰囲気が強くなり、根気強くトラブルに対応するという姿勢が欠けたためと分析。
 この報告に対し原子力安全・保安院は「極めて遺憾」「これまで各種の安全確保策や法令遵守策を講じていながら、東電社内で十分周知徹底されていなかったという事実をあらためて重く受け止めるべき」とコメントした。
 なお同時に提出された日立の報告も「スケジュール通りに試験を終了させ、原発の通常運転を再開させることが重大な関心事となり、最も優先されるべき法令順守がおろそかにされてしまったた」という内容だ。【原子力安全・保安院】

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