一般財団法人環境イノベーション情報機構
平成30年度未来のあるべき社会・ライフスタイルを創造する技術イノベーション事業の結果を発表
【地球環境 地球温暖化】 【掲載日】2019.04.15 【情報源】環境省/2019.04.12 発表
環境省は、窒化ガリウム(GaN)半導体を活用し社会のあらゆる場面でエネルギー損失を抜本的に減らすことを目的に「未来のあるべき社会・ライフスタイルを創造する技術イノベーション事業」を実施しており、平成30年度の事業成果を発表した。電力エネルギー消費量を低減させ、脱炭素社会を実現するためには、身の回りの全ての電機設備・製品中の半導体で発生する、電力の直流・交流変換時等の損失を低減させることが不可欠で、窒化ガリウム(GaN)半導体は既存の半導体に比べ電力の直流・交流変換時の損失を抜本的に(10分の1程度に)低減させられるものと期待されている。
この事業は、GaN結晶を低欠陥・高品質・大口径化する手法を開発し、それを活用してGaNデバイスの高性能化を図るとともに、GaNデバイスを用いて、パワコン、サーバ、EV、マイクロ波加熱装置、照明機器等の様々な実機評価を行うことで、CO2削減効果を実証するもの。
平成30年度の主な成果として、GaNデバイスに基づく100ワット級マイクロ波源を用いた4チャンネルマイクロ波加熱装置(電子レンジ)を、世界で初めて開発した。本機ではマイクロ波加熱装置の内部領域を4分割し、各々の領域を任意のマイクロ波パワーと時間で加熱することができると実証された。これにより、加熱したい領域のみにマイクロ波エネルギーを照射できること等により、無駄なエネルギー消費を抑えることができる。
今後、さらなる結晶技術・デバイス技術の向上や電子レンジ以外の機器での実機実証に取組む予定。
【環境省】