一般財団法人環境イノベーション情報機構
COP8で途上国の排出削減活動に触れた「デリー宣言」を採択
【地球環境 地球温暖化】 【掲載日】2002.11.06 【情報源】環境省/2002.11.05 発表
2002年10月23日からインド・ニューデリーで開催されていた、気候変動枠組条約締約国会議第8回会合(COP8)が、11月1日夜、「デリー宣言」と関連文書を採択して閉会した。「デリー宣言」では、途上国の温室効果ガス削減を盛り込むことについて議論が紛糾したが、10月31日から1日にかけての徹夜交渉の結果、(1)京都議定書のタイムリーな締結を強く求めること、(2)温室効果ガスの排出削減は洪水対策などの温暖化の悪影響への適応措置とともに高い優先性があること、(3)途上国を含む各国は排出削減のための行動に関する非公式な情報交換を促進すべきこと−−などの内容が盛りこまれた。
「非公式な情報交換」という間接的な取り組みについてであるが、途上国の排出削減活動についての事項が明記されたのは温暖化交渉の中では初めてのこと。日本政府も「途上国が自らの排出削減活動について話し合うことさえ拒否してきた経緯を考えれば宣言の意義は評価できる」とのコメントを示している。
今回の会合では、このほかにもCOP7マラケシュ合意で積み残された京都議定書実施のための細則のうち、排出枠・国別登録簿の報告・審査の形式を定める「報告・審査ガイドライン」の策定、クリーン開発メカニズム(CDM)理事会の運営規則採択など、京都議定書の実施に向けても一定の進展があった。
なお2003年12月上旬に予定されるCOP9の開催国としてはイタリアが立候補し承認された。ただし議長は東欧グループの国が努める予定だ。
(注)途上国の排出削減について宣言文では、reduction=削減ではなくmitigation=緩和という表現が使用されている。【環境省】