一般財団法人環境イノベーション情報機構
川崎重工、関西電力などと省エネ型CO2分離・回収システムの実用化試験を実施
【エコビジネス 環境技術】 【掲載日】2017.09.22 【情報源】環境省/2017.09.19 発表
川崎重工業は、関西電力、公益財団法人の地球環境産業技術研究機構(RITE)とともに、省エネ型のCO2分離・回収システムの実用化試験を関西電力の舞鶴発電所(京都府舞鶴市)で実施する。経済産業省の「CO2分離回収技術の研究開発事業」に参画して行う。試験設備を同発電所に設置した後、2019年度以降に実用化試験を始める。火力発電所などから排出される排ガス中のCO2の分離・回収は、環境負荷低減に向けた重要な技術と期待される一方、エネルギー消費量低減が課題になっているため、試験を通して実用化を目指す。川崎重工とRITEは省エネ型システムの研究開発を進め、CO2用固体吸収材や、固体吸収剤を移動させて吸収効率を高めるシステムを開発した。
固体吸収材は従来の高性能アミン吸収液と似たCO2吸収特性を持ちながら、再生工程で消費されるエネルギーが低減できる。未利用エネルギーの低温排熱を使ったCO2の分離・回収が可能になり、大幅な省エネを実現した。実用化試験では、RITEが固体吸収体、川崎重工が分離・回収システム開発、関西電力がシステムの評価を担当する。
設置する試験設備は、国内で初となる固体吸収材を使用した1日40tの規模で、縦約23m、横約53m、高さ約40mの大きさがある。煙道から排ガスを抜き取り、固体吸収剤を活用した川崎重工のシステムでCO2を分離・回収する。試験では回収したCO2は再度煙道に戻す。舞鶴発電所は1、2号機があり、それぞれ出力90万kWで石炭を燃料にする。
【川崎重工業株式会社】