一般財団法人環境イノベーション情報機構
東芝、ワイヤレス急速充電装置を使ったEVバスの運行で約60%のCO2削減効果を実証
【大気環境 交通問題】 【掲載日】2017.03.22 【情報源】企業/2017.03.17 発表
東芝は、ワイヤレス急速充電装置を使った電気自動車(EV)バスの公道運行を実施し、同サイズのディーゼルバスと比べて、約60%のCO2排出量削減効果があることを実証した。実証事業は、ワイヤレス充電の利便性やCO2削減効果の検証を目的に、環境省の委託事業として2016年2月〜2017年1月に実施。川崎市や羽田空港周辺で中型と小型バスを走らせた。東芝などが開発したワイヤレス急速充電装置を装備した中型と小型のEVバスを1台ずつ、全日空(ANA)の連絡バスとして運行した。EVバスは東芝のリチウムイオン二次電池「SCiB」を搭載する。中型バスは川崎市川崎区殿町と羽田空港内のANAの拠点を結ぶ約11kmを、1日に3往復、小型バスは殿町と東京・大田区東糀谷のANAの拠点間約6kmを、1日4往復した。
バスはANAグループの従業員が利用し、中型バスのルートには首都高速道路も含まれる。公道走行で測定した距離と消費電力などのデータを基に、CO2削減効果を計算した結果、中型バスはディーゼルバスと比較して約60%、小型バスは約42%の削減効果があることが分かった。1回あたりの充電時間は中型バスが約20分、小型バスは約15分だ。
ワイヤレス急速充電装置は、従来方式の「電磁誘導」より送電パッドと受電パッドが離れた状態でも送電できる「磁界共鳴方式」を使った。共鳴現象を発生させて距離や位置ずれの許容範囲を高める。独自の送受電パッドによって、パッド間が左右20cm、前後10cmまでずれていても充電できる。実証事業では、この装置で乗用車への充電も確認した。
【株式会社 東芝】