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環境ニュース[国内]

王子HD、セルロースナノファイバー新製法実証設備が完成、本格的にサンプルを提供

エコビジネス 環境技術】 【掲載日】2017.01.16 【情報源】企業/2017.01.11 発表

 王子製紙を中核とする王子ホールディングスは、環境配慮型の先端素材とされるセルロースナノファイバー(CNF)の新たな独自製法「リン酸エステル化法」の量産化に向け、実証設備を王子製紙の富岡工場(徳島県阿南市)内に建設した。12月に完成して設備が稼働を始めたことから、本格的なサンプル提供を1月に始める。

 実証設備は年間40tの能力を持つ。これまではCNFの製造能力に限界があったため、使用用途やサンプルの量を制限しなければならなかった。設備の完成によってCNFのサンプル供給の規模を広げ、ニーズに対応したさまざまなCNFを提供する。併せて、リン酸エステル化法の生産効率や高い透明度・高粘度など品質の実証も行う。

 CNFは再生可能資源の木質繊維(パルプ)を微細化して製造する。微細化エネルギーが大きいことが実用化への課題になっていた。王子ホールディングスはエネルギーを低減する有効な手法となる各種の化学処理法を検討し、実用化に有望と考えられるリン酸エステル化法を確立した。同法は高品質のCNFの製造が可能になる。

 製造プロセスでは化粧品などに使われるリン酸など安全な薬品だけを使用する。CNF間の強い静電反発が期待でき、製造エネルギーを削減する可能性がある。王子ホールディングスは実証設備で事業化への取り組みを加速させ、4月に販売を予定するCNF増粘剤「アウロ・ヴィスコ」をはじめ、さまざまな用途に応用展開する。【王子ホールディングス株式会社】

提供:日経BP環境経営フォーラム(EMF)

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