一般財団法人環境イノベーション情報機構
大阪市、地下水利用で省エネ冷暖房 産学官連携で実証実験
【地球環境 地球温暖化】 【掲載日】2016.11.02 【情報源】地方自治体/2016.09.15 発表
大阪市は、関西電力や三菱重工、大阪市立大学などと協力し、くみ上げた地下水を利用してオフィスビルなどでの冷暖房の省エネ化を目指す産学官連携の実証実験を、JR大阪駅北側の再開発地域「うめきた2期」(同市)の暫定利用区域で来年1月から始める。省エネや二酸化炭素(CO2)排出削減、ヒートアイランド現象の緩和につなげる。実験では、常時18℃程度の水温を保つ地下水の性質を利用する。オフィスビルなどでは夏季の冷房に7℃前後まで冷やした水を使用するため、地下水を利用すれば常温(約25℃)の水より効率が良くなる。温かくなった水を地下に戻し、冬季に再びくみ上げれば暖房の熱源に利用できるという。
実証実験では「うめきた2期」の暫定利用区域の一角に井戸を2本掘り、地下水を多く含む「帯水層」(深さ50〜100m)から1時間当たり100トンの水をくみ上げる。延べ床面積1万m2相当の建物の空調を賄える量で、水の温度データなどを分析する予定。
市は地下水利用で、冷暖房にかかる消費エネルギーを従来比で35%削減できると見込む。吉村洋文市長は「実証実験で得たデータを蓄積し、将来的な実用化を目指したい」と話している。【大阪市】