一般財団法人環境イノベーション情報機構
IHIグループ企業が二・多段式駐車装置用の水害対策パネルを開発、阪急不動産が採用
【エコビジネス その他(エコビジネス)】 【掲載日】2016.03.16 【情報源】企業/2016.03.10 発表
IHI扶桑エンジニアリング(IFE)は、二・多段式駐車装置用の水害対策パネルを開発した。同社はIHIグループ企業で、立体駐車装置・設備を手掛けている。気候変動で増加するゲリラ豪雨や、台風に伴う水害被害を防ぐ。阪急阪神ホールディングスグループの住宅開発会社、阪急不動産が兵庫県西宮市に建設したマンションの立体駐車場に初めて採用した。1台のスペースに複数の車が収納できる二・多段式駐車装置は、マンション向けの機械式駐車装置で最も需要がある。IFEは二・多段式駐車装置を年間1万台以上納入し、トップシェアを誇る。分譲マンションに多く設置されている地下にピット(車の収納台)を持つ二・多段式駐車装置でゲリラ豪雨などによる車や装置の水没被害が起きていることから開発した。
これまで、被害を防止するには事前に土のうを積み上げる方法しかなく、マンション居住者からはより有効な方法が求められていた。今回、阪急不動産が操作性に優れる装置の開発をIFEに要請した。
水害対策パネルを駐車装置の前面に設けるガイドレールにはめ込む仕組みだ。パネルの重量は約16kgで持ち運びができ、容易に取り外せる。水位50cm程度の水圧に耐えられる強度があり、雨水の流入を1分あたり約0.05m3以下に抑える。通常のポンプで排水できる。シンプルな構造でコスト低減を図り、防潮板を別途設置する場合と比較して、コストを2分の1にした。IFE製の既設の装置にも対応する。IFEは今後、阪急不動産の物件に加え、他の開発事業者や建設会社への販売も計画する。【(株)IHI扶桑エンジニアリング】