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環境ニュース[国内]

積水化学、大容量フィルム型リチウムイオン電池を開発、定置・住宅用に事業化

エネルギー その他(エネルギー)】 【掲載日】2016.03.11 【情報源】企業/2016.03.09 発表

 積水化学工業は、大容量フィルム型リチウムイオン電池の開発を完了した。高い安全性と長寿命、高容量を同時に実現した。定置・住宅用を最初のターゲットにして、蓄電池システムの事業化を進める。住宅メーカーへの採用に向けて、システムメーカーと連携し、2016年度の出荷を予定して生産を始める。車載分野でも2020年以降の参入を目標にする。
 大容量フィルム型リチウムイオン電池は重さが従来の約3分の1と軽く、小さく薄いことでコンパクトに収納できる。そのうえ形状の自由度が高いため、空間を有効に使える。2014年夏以降にサンプル提供と評価を行った結果、大判、薄型、大容量の特長を生かす分野に特化するため、定置・住宅分野、車載分野から市場への投入を目指すことにした。
 リチウムイオンの伝導性が高い新たなゼリー状のゲルタイプ電解質を使い、塗工プロセスでの高い生産性を実現した。電解液を使わないため安全性も高まる。さらにゲルタイプ電解質の性能を最大にする、高容量のケイ素系負極材料を開発して加えた。その後、電極塗工型の絶縁材料とそのプロセス技術を確立し、薄膜化と耐熱性、耐衝撃性を達成した。
 大容量フィルム型リチウムイオン単電池(セル)は600mm×250mm以下で、蓄電池システムは750mm×550mm×500mm以下、12kWhの容量がある。寿命は15年以上、容量は一般的な市販蓄電池の約2倍となる。将来積水化学グループの中核事業に育てることを狙いに、社長直轄の組織を4月に立ち上げる。定置・住宅用は5年で100億円水準の事業規模を目指す。【積水化学工業(株)】

提供:日経BP環境経営フォーラム(EMF)

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