一般財団法人環境イノベーション情報機構
東芝、東北電力の蓄電池実証事業向けに納入した二次電池システムが運転を開始
【エネルギー その他(エネルギー)】 【掲載日】2016.03.02 【情報源】企業/2016.02.26 発表
東芝が東北電力が行う需給バランス改善のための蓄電池実証事業向けに、南相馬変電所(福島県南相馬市)に納入したリチウムイオン二次電池システムが2月26日に営業運転を始めた。リチウムイオン二次電池として世界最大級の出力と容量がある。1年をかけて実証試験を行い、蓄電池による再生可能エネルギーの導入拡大効果を検証する。納入したリチウムイオン二次電池システムは、出力40MW(4万kW)、容量40MWh(4万kWh)で、東芝のリチウムイオン二次電池「SCiB」モジュールと蓄電池盤、蓄電池用パワーコンディショナー(電流変換器)、系統連系用変圧器、昇圧用変圧器で構成されている。SCiBは安全性、長寿命、低温性能、急速充電、高い入出力が特長だ。
東北電力の実証事業は、需給バランス改善で得られる再生可能エネルギーを受け入れ拡大した際の効果を調べる。気象条件によって出力が変動する再生可能エネルギーの導入の広がりに伴い、電力供給が需要を上回る恐れがある場合に、蓄電池で余剰電力を吸収し、需要が高まる時間帯に蓄電池から放電する。
東芝は、東北電力の西仙台変電所(仙台市太白区)向けにも2014年に周波数変動抑制用に出力40MW(4万kW)、容量20MWh(2万kWh)の蓄電システムを納入し、商用運転が行われている。海外でもイタリアの送電会社、スペインの電力大手などに供給した。蓄電池市場は今後も成長が見込まれ、世界規模で蓄電池事業を強化する。【(株)東芝】