一般財団法人環境イノベーション情報機構
東芝、ワイヤレス充電と二次電池搭載のEVバスシステムを開発、公道で実証試験
【大気環境 交通問題】 【掲載日】2016.02.18 【情報源】企業/2016.02.10 発表
東芝は、ケーブル接続なしで充電できるワイヤレス充電装置と、自社のリチウムイオン二次電池「SCiB」を搭載するEV(電気自動車)バスシステムを開発した。川崎市と全日空の協力を受け、国際戦略総合特区になっている同市川崎区のキングスカイフロント地区と、羽田空港(東京・大田区)周辺の公道で実証試験を2月1日に始めた。ワイヤレス充電バスの実証研究は、環境省が公募した「CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業」の委託先に選定され、早稲田大学理工学術院の研究室と共同で進めている。近隣拠点間の連絡バスや、観光地、空港の巡回バスなど短距離走行で充電頻度が高いEVバスについては、手間がかからない充電方法が求められていたことから、これに対応する。
EVバスシステムは、新たに開発した磁界共鳴型ワイヤレス充電装置を装備し、頻度が高い充電作業を短時間で安全に、手間をかけることなく実現する。この充電装置は、EVバスに搭載したSCiBにワイヤレスで44kWの急速充電が可能で、運転席からのボタン操作だけで充電できる。乗用車のEV向けに制度化が進んでいる85kHz帯を使用する。
実証試験での公道走行を通じ、充電作業の利便性を検証すると同時に、CO2排出削減やランニングコスト低減効果を調べる。加えて、乗車環境の改善効果や周囲環境に与える負荷の少なさなども評価する。成果は公開し、ワイヤレス充電型のEVバスをアピールして認知度を高め、普及につなげる。実証試験は2016年度末ごろまで実施する。【(株)東芝】