一般財団法人環境イノベーション情報機構
JFEエンジ、廃棄物焼却施設の排ガスに含まれる水銀を除去する新システム開発
【ごみ・リサイクル ごみ処理】 【掲載日】2016.01.19 【情報源】企業/2016.01.15 発表
JFEエンジニアリングは、廃棄物焼却施設の排ガスに含まれる水銀を除去する新たなシステムを開発した。水銀の濃度に合わせ、除去するための“活性炭吹き込み量”を適切に制御する。稼働中の廃棄物焼却施設に設置して実証試験した結果、施設の自主基準値を大きく下回る値を常に維持し、活性炭の使用量を削減した。排ガス中の水銀は活性炭で除去でき、濃度は分析計で計測できる。しかし、廃棄物焼却施設の排ガスには多量のばいじんが含まれ、水銀濃度分析計に悪影響を与えることから、濃度に合わせた適切な量の活性炭をタイムリーに吹き込めなかった。JFEエンジは今回、新しいシステムでこうした問題の解決に成功した。
開発した新システムは、ばいじんの影響を受けることなく水銀濃度を測定し、活性炭の吹き込み量を柔軟に制御して水銀を除去する。水銀分析計は従来、焼却炉からバグフィルター(集じん機)や触媒脱硝塔を通した後の煙突に設けていたが、新システムは焼却炉の直後の段階に設置して活性炭の吹き込み量を制御する。
約2カ月実証試験したところ、排ガス中の水銀濃度を常に自主基準の5分の1以下にできるとともに、活性炭の使用量が半減することを確認した。水銀リスク低減の規制を定めた「水銀に関する水俣条約」が2013年に採択され、管理強化や法的規制が検討される中、JFEエンジは廃棄物処理施設にシステムの採用を働き掛ける。【JFEエンジニアリング(株)】