２００１年の核物質保障措置の状況を公表

【エネルギー 原子力】 【掲載日】2002.08.28 【情報源】文部科学省／2002.08.27 発表

　文部科学省では「原子炉等規制法」に基づき、核物質が核兵器などに転用されていないことを検認する保障措置を実施しているが、このたび２００１年の保障措置活動状況と核燃料物質の保有量のデータの集計が完了したため、これを公表した。　
　「原子炉等規制法」に基づいた保障措置としては、（１）原子力事業者が核物質量を国に報告する計量管理、（２）核物質の移動を監視カメラ、封印などにより確認する封じ込め・監視、（３）国やＩＡＥＡの査察官が原子力施設に立ち入り、核物質の使用状況の報告を検認する査察−−を実施している。
　２００１年１２月末現在現在、日本で保障措置の対象となっている原子力施設は２５９施設があり、査察実績はのべ１，１６９（人・日）となっている。
　また、日本の核燃料物質の保有量・移動量は計量管理を通じ把握されており、２００１年は海外から実用発電原子炉用燃料（集合体）の原料として濃縮ウラン５５０トン、天然ウラン６０トン、劣化ウラン１トン、原子炉用燃料に加工されたものとしてプルトニウム２０５キログラム、濃縮ウラン４１トン、天然ウラン５トン、劣化ウラン３トンが輸入された。一方、実用発電原子炉からの使用済燃料として、プルトニウム３９キログラム、劣化ウラン２７トンが再処理のため海外の関連施設へ輸送された。
　更に、２００１年末の保有量はプルトニウム約９７トン、濃縮ウラン（ウラン・約１５，１８８トン、ウラン２３５・約３３９トン）、天然ウラン約１，４４７トン、劣化ウラン約１０，５９１トン、トリウム約２トンであった。【文部科学省】