一般財団法人環境イノベーション情報機構
ブリヂストン、天然ゴム資源「パラゴムノキ」の病害診断技術を確立、安定供給へ
【エコビジネス その他(エコビジネス)】 【掲載日】2015.12.04 【情報源】企業/2015.11.30 発表
ブリヂストンは、天然ゴム資源の大半を担う樹木「パラゴムノキ」の病害診断技術を確立した。病害の「根白腐病」を簡単に素早く正確に診断でき、早期発見を実現する。これにより、パラゴムノキの保護と天然ゴムの安定供給につなげる。世界の栽培面積の9割以上が集中する東南アジアで、根白腐病への対策が重要な課題とされていることに対応した。タイヤの需要は世界的な人口増加や自動車社会の進展によって今後も拡大が見込まれ、天然ゴムの消費量も増加すると予想される。パラゴムノキの単位面積あたりの生産量を増やすことが必要になり、根白腐病対策が求められている。現在は目視での診断のため検出精度が低く、土を掘らないと診断できないことで発見の遅れや誤診などもある。
根白腐病は病原菌が引き起こす病気で、根に感染して樹木を枯死させる。感染初期の発見が難しく、現状では抜本的な対策がない。病原菌で感染が拡大し、発症した場合は病気にかかった部位の切除や薬剤処理で対処している。ブリヂストンはインドネシアの研究機関や大学と連携し、病害を早期に診断する技術開発を2010年から進めてきた。
今回、バイオテクノロジーを応用した診断技術「LAMP法」を確立した。解析した病原菌の遺伝子配列情報を基にした試薬キットを利用することで、病害菌の有無が目視で確認できる。知識や経験に関わらず活用が可能になり、早期の発見で感染拡大の抑制が期待される。今後、インドネシアや国内の大学と連携してさらに開発を推進する。【(株)ブリヂストン】