一般財団法人環境イノベーション情報機構
原子力発電施設のトラブル7件を国際評価尺度に基づき評価
【エネルギー 原子力】 【掲載日】2002.08.01 【情報源】原子力安全・保安院/2002.08.01 発表
平成14年7月31日、総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会INES(原子力施設のトラブルに対する国際評価尺度)評価小委員会が開催され、前回までの評価小委員会で評価されたトラブル以外のもので、平成14年6月20日までに経済産業省所管の原子力施設で発生したトラブルについて評価が実施された。評価対象になったトラブルは、(1)平成13年11月7日に中部電力浜岡原発1号機で発生した高圧注入系から余熱除去系に分岐した蒸気凝縮系配管の破断、(2)同11月10日に同じ浜岡原発1号機で発生した原子炉圧力容器と制御棒駆動機構ハウジング貫通部からの原子炉水の漏えい、(3)同4月21日に核燃料サイクル開発機構新型転換炉ふげん発電所で発生した燃料集合体からの漏えい、(4)同4月26日に発生した東京電力柏崎刈羽原発7号機の燃料集合体からの放射性物質漏えい、(5)5月5日に東京電力柏崎刈羽原子力発電所3号機で発生した復水器の真空度低下による出力低下、(6)5月25日に中部電力浜岡原発2号機で発生した余熱除去系低圧注入配管第2隔離弁・ドレン配管溶接部からの漏水、(7)6月20日に東北電力女川原発2号機で発生した原子炉再循環ポンプ軸封部のシール機能の低下−−の7件。
これらのトラブルについては、国際原子力事象評価尺度に基づき評価が行われたが、結果は11月7日の浜岡原発1号機で発生した蒸気凝縮系配管破断の評価が「レベル1(運転制限範囲からの逸脱)」、同10日に浜岡原発1号機で発生した原子炉水の漏えいの評価が「レベル0+(安全に影響を与えうる事象)、柏崎刈羽原発3号機の復水器の真空度低下による出力低下の
評価が「評価対象外(安全に関係しない事象)」とされたほか、その他4件の評価はともにレベル0−(安全に影響を与えない事象)となった。【原子力安全・保安院】