一般財団法人環境イノベーション情報機構
富士通研究所、LED照明などからモノに照射する光に情報を埋め込む技術を開発
【エコビジネス その他(エコビジネス)】 【掲載日】2014.11.20 【情報源】企業/2014.11.17 発表
富士通グループの富士通研究所は、LED(発光ダイオード)照明などからモノに照射する光に情報を埋め込む技術を開発した。光に照らされたモノから情報が復元でき、スマートフォン(多機能携帯電話)のカメラを向けると情報が取得できる。従来は場所に応じてエリア単位で関連情報の配布が可能だったが、モノ単位で情報の配布が可能になる。LED照明から発する光の色を人の目には見えないレベルで変化させることで、照射したモノに情報を付与する。赤・緑・青(RGB)の3色を合成してさまざまな色の光を出すカラーLEDでRGBの各色成分の光の強弱を時間で制御し、わずかに変化させてモノを識別する情報を表現する。さらに、モノの表面での反射を考慮した補正を行って精度を高める。
この技術を利用すると、光があたったモノにスマートフォンをかざすだけで関連情報を表示し、さまざまなサービスが展開できる。店舗での商品情報の提供、博物館・美術館の展示物の解説動画再生、観光地の歴史的建造物の詳細な情報の表示や、舞台で歌手が歌っている曲のダウンロードなどが可能になる。プロジェクターの照明にも応用できる。
モノに識別情報を直接貼り付けると、美観を損ねたり対応機種が限られる課題がある。モノの位置を利用する場合は、個々のモノ単位で異なる情報を付与するなど細かな情報配信への適用が難しかった。省エネ性能の高いLED照明の新たな活用法として注目される。富士通研究所は各種の環境で検証を進めて精度を高め、2015年度の実用化を目指す。【(株)富士通研究所】