一般財団法人環境イノベーション情報機構
三菱商事、ノルウェーの世界第3位のサーモン養殖加工会社買収へ公開買い付け
【エコビジネス その他(エコビジネス)】 【掲載日】2014.09.26 【情報源】企業/2014.09.22 発表
三菱商事は、ノルウェーの世界第3位のサーモン養殖加工会社、セルマックの買収に向け、全株式を対象にした公開買い付けを実施する。買収に向け、同社と合意した。発行済み株式総数の59.17%を保有するノルウェー貿易・産業・漁業省は、今回の公開買い付けに応募の用意があることを公表している。世界的な人口増に伴って求められる、持続可能な食料資源供給体制を確立する。セルマックはサーモンの養殖・加工・販売事業を手掛け、ノルウェー、チリ、カナダの3カ国で年間約17万tを生産している。1995年の設立で、2013年12月時点で4361人の従業員がいる。育てる漁業の重要性が高まるなか、三菱商事はセルマックを買収することで水産事業の拡大を図り、自社の食料生産の知見や事業基盤を活用して世界展開を加速させる。
買い付け期間は、9月22日〜10月20日の4週間を予定し、状況によって変更する可能性もある。買い付け価格は、1株当たり96ノルウェー・クローネ(約1646円)で、これは直前取引日の9月19日の終値より14.3%高く、直近3カ月と同6カ月の平均よりそれぞれ18.3%、27.7%高い。三菱商事は買い付けに88億8000万クローネ(約1523億円)をかける。
人口増加に対応した食料資源の確保が世界的な課題になり、水産物については、捕る漁業での供給が限定的なため、養殖が期待されている。特に養殖サーモンは環境負荷が低く、持続可能な動物性タンパク源として需要拡大が見込まれる。三菱商事は日本での流通加工事業を基盤に、チリのサーモンやタイのエビで養殖事業に参入し、事業展開している。【三菱商事(株)】