一般財団法人環境イノベーション情報機構
農林水産省と日本経団連が懇談会 農水側は農業の多面的機能への配慮強調
【エコビジネス 環境と経済】 【掲載日】2002.07.11 【情報源】農林水産省/2002.07.11 発表
平成14年7月8日、農林水産省・日本経団連幹部による懇談会が開催された。懇談会にあたって奥田・日本経団連会長は、「農業が食料供給のための重要な産業であるだけでなく、国土・環境保全などさまざまな役割を果たしていることを経済界としても承知している。担い手の減少などにより、農業基盤が危うくなっている現在、農業構造改革を急ぐことこそ農政の基本的役割。また大臣が進める「都市と農山漁村との共生・対流」が促進されることを期待している」と挨拶。
また武部・農林水産大臣は、BSE問題など、顕在化した食と農に関する課題に対応するためには、農林水産行政の軸足を消費者に移すための改革の設計図「食と農の再生プラン」の実現が必要であること、またWTO農業交渉の場では、農業の多面的機能への配慮、食料安全保障の確保などを主張していくとの農林水産省の方針を説明した。
懇談会では、その後も「食と農の再生プラン」の具体的な進捗状況、WTO農業交渉・FTA(自由貿易協定)の状況を中心に農林水産行政に関する意見交換が行われた。
なお、WTO・FTAに対する姿勢として「通商立国をキーワードとして、グローバリゼーションに対処すべき」とする日本経団連側の発言に対し農林水産省は、「通商立国の前提として、人と自然の関係のあり方、貿易では入手できない農業の機能を考慮して欲しい」と発言。また、農地への規制緩和推進にあたっても「一方で、日本の農村を荒廃させてはならず、食と農と美の国づくりこそが重要」であると説明した。【農林水産省】