一般財団法人環境イノベーション情報機構
パナソニック、農産物の生産効率を高めるアグリ・エンジニアリング事業に参入
【エコビジネス 環境と経済】 【掲載日】2014.04.23 【情報源】企業/2014.04.21 発表
パナソニックは、農産物の生産効率を高め、生産者の負担を軽減するアグリ・エンジニアリング事業に2014年度に参入する。市販の農業用資材の最適配置設計と、自然の力を積極活用する環境制御システムを融合した「パッシブハウス型農業プラント」を開発した。住友商事や伊藤忠商事が出資する青果流通大手のケーアイ・フレッシュアクセス(KIFA)と連携して始める。パナソニックグループで建築資材販売・工事や緑化事業などを手掛けるパナソニックES集合住宅エンジニアリングがパッシブハウス型農業プラントを販売・施工する。生産された農産物はKIFAが販売する。パッシブハウス型農業プラントは、自然光、水、風といった自然の力を活用する複数の環境調整用の農業資材を自動制御し、ホウレンソウの生育に適した環境に近付ける。
環境制御システムは自然エネルギーを直接利用することで、できる限り電気に頼ることなく温度・湿度などの環境バランスを整える。植物工場と違い、エアコンや暖房機を使わないためエネルギーコストが抑えられる。ハウス外の照度、温度とハウス内の温度・湿度を計測して遮光、送風、散水を行なう設備機器を制御する。制御は季節や時間に合わせて自動的に変更する。
設備機器の最適配置によって作物周辺だけを集中的に制御して省エネを図る。設備機器は効果が最大になるように選定して配置設計する。夏を含む年間を通じたホウレンソウ栽培は従来難しかったが、同プラントにより、安定生産・販売を実現する。天候の影響が少なく栽培計画が立てやすいうえ、環境制御の自動化で手間を削減する。今後、ホウレンソウ以外の作物の展開も検討する。【パナソニック(株)】