一般財団法人環境イノベーション情報機構
トヨタ自動車・矢崎総業など、銅の組み電線で「Car To Car」のリサイクル技術を開発
【エコビジネス 環境と経済】 【掲載日】2014.03.27 【情報源】企業/2014.03.25 発表
トヨタ自動車、矢崎総業、豊田通商は、枯渇が懸念される銅資源を使ったワイヤハーネス(組み電線)を車両用から車両用にリサイクルする「Car To Car」のリサイクル技術を開発した。世界で初めてという。解体業者が取り外したワイヤハーネスから、新品同様に使用できる銅純度99.96%の素材の生産ができる。銅資源は、採取年数があと40年程度とされ、リサイクルが課題になっている。ワイヤハーネスは複数の電線を束にした線で通常、ヒューズボックスなど他の部品が付随している。そのため使用済み車両から取り外す際、部品などが不純物になり、従来の選別方法では再びワイヤハーネスにリサイクルできなかった。トヨタ、矢崎、豊田通商は今回、解体業者と連携して解体業者の前処理も含む品質条件の確立などの技術開発を進めた。
従来除去できなかった微小な不純物の混入を防ぐ選別方式を2011年にトヨタが開発し、本社工場内の実証ラインで2013年に少量の再生銅生産を始めた。矢崎がその品質を評価してワイヤハーネス製造ラインで実用化した。今回、安定生産できるめどが立った。トヨタが破砕、比重・形状・磁力選別を行い、矢崎がワイヤハーネスを生産してトヨタ車に使う。
銅は、新興国で送電線などのインフラ需要が高まっているうえ、自動車でもハイブリッド車などモーターを使う次世代車に多用されている。そのため銅を使用したワイヤハーネスの国内でのリサイクル促進が急務になっていた。トヨタは2016年以降、年間1000t規模の再生銅の生産を目指し、一層の技術開発とコスト低減を推進する。同時に、解体業者と連携拡大を図る。【トヨタ自動車(株)】