一般財団法人環境イノベーション情報機構
中部電力、浜岡原子力発電所2号機の漏水の原因と対策を報告
【エネルギー 原子力】 【掲載日】2002.06.20 【情報源】原子力安全・保安院/2002.06.20 発表
中部電力は平成14年6月20日に、浜岡原子力発電所2号機で水漏れが発見され、手動停止が実施されたことについての原因と対策に関する報告書を原子力安全・保安院に提出した。浜岡原子力発電所2号機は運転休止後再起動したばかりの平成14年5月25日に、余熱除去系低圧注入管第2隔離弁の水抜き配管溶接部からの水漏れが発見され、手動停止が行われた。
中部電力が原因調査を実施したところ、水抜き配管溶接部下端部に配管を貫通する疲労割れが認められた。中部電力では、この割れについて、(1)原子炉起動前に余熱除去系A、B両系統の配管を経由する注水運転を行った際、低圧注入管の振動に水抜き配管が共振したこと、(2)溶接部の形状が振動の際に力が集中しやすくなっていたこと、(3)疲労割れを発生させうる力が繰り返し加わったこと−−などの要因が重なって発生したものと推定した。
また対策として、(1)溶接部に加わる力を低減するため、水抜き配管の配管ルートや支持金具の取付位置を変更する、(2)溶接部を機械加工した上で突合せ溶接にし、疲労割れに対して強い形状とする−−の2点を実施することにした。
なお、原子力安全・保安院は今回報告された原因・対策を妥当なものと判断。中部電力に対して、更に (1)今回の水漏れ箇所と類似の箇所の選定と類似箇所への対策、(2)4月23日に実施していた水漏れ箇所を含む原子炉冷却材圧力バウンダリの漏えい試験状況、試験実施以降、水漏れ発生までの漏えい箇所の点検・維持管理状況−−について報告するよう指導を行った。【原子力安全・保安院】