一般財団法人環境イノベーション情報機構
ヤマト運輸・トヨタ自動車など、電動小型トラックを集配業務に使う実証運行を開始
【大気環境 交通問題】 【掲載日】2013.03.05 【情報源】企業/2013.03.05 発表
ヤマト運輸とトヨタ自動車、日野自動車は、電動小型トラック(EVトラック)を集配業務に使う実証運行を3月中旬に始める。東京都板橋区と町田市の一部地域に計2台を導入し、集配業務への適応性や実用性などを検証して商品化に向けた改良に生かす。実証運行は約1年を予定する。「ネコロジー」と名付けたヤマトグループの環境活動の一環となる。実証運行するEVトラックは、日野が開発した1t積みの超低床型。小型モーターを運転台下に搭載した前輪駆動車で、バッテリーは荷台の床下に配置した。これによって荷台床面までの地上高を44cmに抑えられ、従来車の86cmから大幅に低くした。容量28kWhのリチウムイオン電池を備える。充電時間は200V普通で約8時間、急速だと約45分となる。
荷台には、ヤマトとトヨタ、日野が共同で仕様を企画した冷凍冷蔵バンを装備し、冷凍と冷蔵の低温度帯で配送するヤマトのサービス「クール宅急便」が運用できるようにした。車の走行と併せて冷凍冷蔵庫の稼動もすべて電池で行うため排ガスがないうえ、エンジン車と比べて低騒音なことから、夜間や朝の住宅街での集配業務に適している。
ヤマトは環境活動を強化し、車両台数の抑制、低公害の集配車両、走行距離の短縮の3つの戦略でCO2排出量削減を推進。リチウムイオン電池を使った電気式の冷蔵冷凍システムで燃費を改善するトラックの実証運行も、日産自動車と実施している。トヨタと日野は、軽量・近距離用途で実用的な電動の商用車両の提供を目指し、開発を進めている。【ヤマト運輸(株)】