一般財団法人環境イノベーション情報機構
住友電気工業、小型・低消費電力のバラスト水処理装置を日立造船などと共同開発
【地球環境 海洋汚染】 【掲載日】2012.12.03 【情報源】企業/2012.11.28 発表
住友電気工業は、小型・低消費電力の船舶バラスト水処理装置を、日立造船、水処理・環境保全装置のアタカ大機と共同で開発する。3社がそれぞれ持つ技術や経験を融合させ、環境への配慮をコンセプトに開発を進めると同時に、プロモーション活動を行う。2014年度末までの製品化完了を目指し、その後、3社が出資する新会社の設立も視野に入れる。バラスト水は、空荷の船舶のバランスを保つために搭載する海水。荷揚げした港で入れ、荷を積み込む港で排出する。バラスト水とともに微生物などが運ばれることから、環境被害や生態系への影響が問題となり、国際海事機関(IMO)で採択された「バラスト水管理条約」で新造の外航船への処理装置搭載と、既存船への2016年までの装備が義務付けられた。
住友電工は、プランクトンなどの除去性能に優れるフィルターと紫外線殺菌装置を組み合わせたバラスト水処理装置「Ecomarine(エコマリン)」の開発を推進し、4月から船上試験を実施している。アタカ大機は、独自の海水電解技術を応用したバラスト水処理装置を開発中で、日立造船は、船舶分野のさまざまな経験を保有。3社がそれぞれの技術を持ち寄る。
住友電工のフィルター技術、アタカ大機の電解技術、日立造船の船舶構造に関する知識を集め、高性能で小型・低消費電力の電解型バラスト水処理装置の製品開発を実施。エコマリンと合わせ、2019年度までに1000億円の累計受注高を目標にする。バラスト水処理装置は今後、需要増が見込まれ、3社は共同で技術開発と事業展開を積極的に進め、対応していく。【住友電気工業(株)】