一般財団法人環境イノベーション情報機構
東京ガス・大阪ガスなど、「天然ガス自動車の普及戦略研究会」を早大研究所と発足
【大気環境 交通問題】 【掲載日】2012.09.07 【情報源】企業/2012.09.05 発表
東京ガス、大阪ガス、東邦ガス、西部ガスの都市ガス各社は、「天然ガス自動車の普及戦略研究会」を早稲田大学のマーケティング・コミュニケーション研究所と立ち上げた。日本での天然ガス車の認知度向上と普及拡大に関して、マーケティングの視点から産学連携で検討する。第1回研究会を9月5日に行い、第2回以降も継続的に開催していく。天然ガス車は天然ガスを燃料にして走行する自動車で、ガソリン、軽油を使う車と比べて環境負荷が低く、石油への依存を低減する。2000年以降世界的に急増し、2011年度末には1400万台を超えたが、日本では約4万台にとどまる。都市ガス各社は普及に向けた取り組みの一環で研究会を発足させ、天然ガス車を訴求する方法を探ることにした。
日本で環境対応車としてハイブリッド車や電気自動車に注目が集まっている一方、世界的には天然ガス車が拡大。米国ロサンゼルスの公共交通機関が保有する約2200台のバスを天然ガス車にしたほか、アルゼンチンでは普及率が20%近くあり、インドやブラジルでは5%を超えている。天然ガスは世界各地に存在し、供給の安定性が高い利点もある。
東日本大震災の際に東北地方で石油系燃料がひっ迫したことを機に、輸送用燃料の多様化の必要性が叫ばれる中、環境負荷が低く調達元が広がる天然ガスを燃料にする車の意義は大きいという。研究会は、各国の先進的な事例を調査・分析し、天然ガス車が持つ可能性や日本で普及を図るための方策などを検討。国や行政に向けた政策提案を目指す。【東京ガス(株)】