一般財団法人環境イノベーション情報機構
三菱重工業、「さやえんどう」型の省燃費LNG船を受注、関西電力の燃料調達に運航
【エネルギー 省エネルギー】 【掲載日】2012.07.05 【情報源】企業/2012.06.29 発表
三菱重工業は、「さやえんどう」に似た形をした省燃費の次世代型LNG(液化天然ガス)船を商船三井から受注した。商船三井は関西電力と長期用船契約を結び、建造・引き渡し後は、関西電力の長期専用船として商船三井が船舶管理と燃料調達用の運航を行い、関西電力にLNGを輸送する。2017年の就航を予定している。従来の船と比べ、燃料消費を低減できる。さやえんどう型は、上部がむき出しになった球形タンクを複数搭載する従来の「MOSS(モス)方式」と呼ばれるLNG船と違い、船体と一体構造の連続したカバーで4基の球形タンクを覆う構造。複数の豆が覆いに収まっているサヤエンドウをイメージして名付けた。船全体の強度を維持しながら軽量化できるうえ、航行中の風圧抵抗を低減し、燃費向上につながる。
主機関には、蒸気を再度加熱利用する新型の蒸気タービンを採用。熱エネルギーの効率を高め、さやえんどう型の効果とも合わせ、従来船と比較して燃料消費を約25%削減する。船のバランスを保つために積み込む海水、バラスト水を処理する装置も搭載し、海洋生態系への影響も軽減する。連続カバーで複雑な構造物が不要になり、メンテナンスも容易になる。
LNG船は、長さ288m、幅48.94m、満載時の喫水(水面から船底までの距離)11.55m、総トン数13万8000t。15万3000m3のLNGが積載できる。関西電力はこのほか、川崎重工業が建造して2016年就航予定のLNG船の長期用船契約も、商船三井と結んだ。オーストラリアの資源開発会社とは、同国のLNGプロジェクトから20年間購入する契約を締結。安定輸送・調達を確保する。【三菱重工業(株)】