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環境ニュース[国内]

NEC、身の回りの熱エネルギーを電力に変換する熱電変換素子で新しい原理を開発

エネルギー その他(エネルギー)】 【掲載日】2012.06.20 【情報源】企業/2012.06.18 発表

 NECは、身の回りの熱エネルギーを電力に変換する熱電変換素子に関して、新しい原理を東北大学と開発した。「スピンゼーベック効果」と呼ぶ温度差のある磁性体による効果を活用し、発熱部分にコーティングして利用できる。電子機器、自動車、工場や家庭などの発熱部分に素子を形成でき、広く存在する大量の廃熱を電気に変換して有効に使えるようにする。

 さまざまな場面で捨てられる廃熱を使用して発電する熱電変換素子は、これまでも利用が進められてきたが、素子の構造が複雑なうえ、大きな面積にすることが難しいことなどから、活用が限られていた。今回開発した新たな原理では、簡素な素子構造を実現し、素子を塗布するプロセスも簡単になり、従来の素子と比較して製造工程が簡易になる特長がある。

 スピンゼーベック効果は、温度差をつけた磁性体で電子の磁気的性質の流れが生じる現象を指し、この流れを「スピン流」と呼ぶ。開発した新しい熱電変換素子は、基板の上に磁性体と金属電極を積層する2層構造を採用。1層目は、温度差によりスピン流が発生する磁性体を使い、2層目には、1層目で発生したスピン流を電流に変換する金属電極を使用した。

 素子をガラス板などに塗布することで、広い面積の熱源から大きな発電量を得ることができ、従来の複雑な構造の素子では困難だった大面積化や、曲面・凹凸面など各種の形状や材料の熱源にコーティングして利用することなどが可能になる。電子機器、自動車など幅広く適用し、廃熱を電気として無駄なく活用することが期待される。NECと東北大は今後、実用化に向けて研究を進める。【日本電気(株)】

提供:ECO JAPAN(日経BP社)

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