一般財団法人環境イノベーション情報機構
JFEエンジニアリング、東北電力女川原子力発電所に大容量電源装置の設置を完了
【エネルギー 原子力】 【掲載日】2012.03.01 【情報源】企業/2012.02.27 発表
JFEエンジニアリングは、東北電力女川原子力発電所(宮城県女川町・石巻市)に、緊急時の電源を確保する手段となる大容量電源装置の設置を完了した。2月2日に装置の運用が始まった。大容量電源装置は、既設の非常用ディーゼル発電設備や、緊急安全対策として配備されている高圧電源車に加え、一層の安全性向上を目的に新設された。大容量電源装置は、出力4000kWのディーセルエンジン発電機3基で構成し、それぞれ独立して運転できる。冷却水が不要な空冷ラジエーターを採用し、万一津波で海水系のポンプが機能を喪失した場合でも運転が可能。さらに外部電源を使用することなく起動でき、電気や水が止まっても発電を始められる防災性能の高さが特長となる。
安全性を考慮して敷地内の海抜52mの高台に設置した。原子炉の冷温停止に必要な機能を持つ設備に電源供給でき、送電ケーブルで原子炉建屋に電気を送る。燃料の軽油を90kL貯蔵する地下燃料タンクも備える。JFEエンジニアリングは早期設置の要請に応え、最短での発電設備手配や設置工事の大幅な期間短縮を図り、8カ月余りで工事を終えた。
JFEエンジニアリングは、今回の大容量電源装置のような非常時の仕様に対応する200〜1万kWの発電エンジンのラインアップを保有している。今後も防災インフラ整備に向け、さまざまなニーズに応じて提案していく。女川原発は、1〜3号機があり、出力は1号機が52.4万kW、2、3号機が各82.5万kW。現在は各号機とも運転を停止している。【JFEエンジニアリング(株)】