一般財団法人環境イノベーション情報機構
関西電力、高浜原発3号機の定期検査入りで管内の全原発が運転停止
【エネルギー 原子力】 【掲載日】2012.02.23 【情報源】企業/2012.02.20 発表
関西電力は、高浜原子力発電所(福井県高浜町)3号機(87万kW)の運転を定期検査のため停止した。これによって11基ある関電の原発は全て運転が止まり、中部、北陸以西の60Hz地域で稼働する原発はなくなった。関電はこれまで電力供給量の約半分を原発で賄ってきただけに、全面的な運転停止で需給が逼迫し、不測の事態で切迫する可能性もある。関電の原発は、高浜原発と美浜原発(福井県美浜町)、大飯原発(福井県おおい町)の3カ所あり、それぞれ1〜4号機、1〜3号機、1〜4号機の計11基を持つ。東日本大震災に伴う津波による東京電力福島第1原発の事故を受け、それまで定期検査中だった原発の再稼働ができないまま次々に新たに定期検査に入り、最後まで運転を続けていた高浜原発3号機も定期検査で止まった。
3カ所の発電所の出力は、高浜が339.2万kW、美浜が166.6万kW、大飯は471万kWで、総出力は976.8万kW。関電は発電量に占める原発の比率が高く、2009年度の発電電力量では、国内電力9社平均の34.3%を大きく上回る53.6%だった。この冬の最大電力は、節電効果で前年と比べて4〜5%少なく、約110万kW減っているが、寒波の襲来や火力発電所のトラブルがあると危機的状況となる。
関電は今後も追加供給力の確保を進める一方、引き続き節電を求めていく。関電の原発稼働ゼロは、1979年に米スリーマイル島原発事故を受けた安全対策以来。当時は6基で全面停止は4日間だけだった。国内の原発のうち稼働しているのは、東電の柏崎刈羽原発(新潟県柏崎市・刈羽村)6号機(135.6万kW)と、北海道電力の泊原発(北海道泊村)3号機(91.2万kW)の2基だけとなった。【関西電力(株)】