一般財団法人環境イノベーション情報機構
中部電力、停止中の浜岡原子力発電所で津波対策として防波壁の本体工事に着手
【エネルギー 原子力】 【掲載日】2011.11.14 【情報源】企業/2011.11.14 発表
中部電力は、前首相の要請を受けて5月から全面的に運転を停止している浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)=出力361.7万kW=で、津波対策として原発と海の間に設置する防波壁の本体工事に着手した。これまで調査・準備工事を実施してきたが、今後、基礎工事と壁の床版・たて壁工事を行う。2012年12月の工事完了を目指す。基礎工事は防波壁の基礎部分を設置する工事で、地上から岩盤の中まで掘った長方形の穴に鉄筋を入れた後、コンクリートを投入する。壁工事では、基礎部の上部に鋼材と鉄骨・鉄筋を組み立てた後、コンクリートを入れて床版部分を構築するとともに、床版の上部に鋼板を箱状にして立て、コンクリートを投入してたて壁を造る。
設置する防波壁は海抜18m(地上部10〜12m、地中部6〜8m)の高さがあり、厚さは地上部が2m、地中部は7m。長さは約1.6km。東日本大震災後に決めた津波対策では海抜12mの高さを予定していたが、大震災が原因で事故が起きた福島第一原子力発電所を襲った津波が15mだったことを踏まえ、7月に定めた計画で6mのかさ上げを決めた。
中電の今冬の電力見通しでは、浜岡原発が停止している影響から、供給余力を示す供給予備率が適正の8〜10%を下回る7%前後となる。このため、今夏に続いて企業や家庭に節電への協力を要請する。7月の計画では、浜岡原発の対策工事の完了時期を当初予定の2〜3年後から2012年12月に前倒しした。供給不足の解消に向けて工事を急ぐ。【中部電力(株)】