一般財団法人環境イノベーション情報機構
サントリー、南アルプス白州工場にリチウムイオン電池搭載の電気バス導入
【大気環境 交通問題】 【掲載日】2011.10.21 【情報源】企業/2011.10.19 発表
サントリーホールディングスは、サントリー天然水南アルプス白州工場・白州蒸溜所(山梨県北杜市)にリチウムイオン電池を搭載した電気バスを導入し、10月29日に本格運行する。工場の見学用に利用する。リチウムイオン電池搭載型の電気バスの活用は、民間企業で初めてという。電池の容量と重量を軽減したバスで、環境活動の一環として採用した。電気バスは全長約9m、幅2.3m、高さ約3m。日野自動車の車体を基に改造し、容量35.5kWhのリチウムイオン電池を搭載した。充電時間は約40分、走行距離は最大35km。乗車定員は運転席を含み55人。早稲田大学理工学術院の紙屋雄史教授が監修して開発した。短距離走行向けに、従来の電気バスの課題とされていた積載電池の容量と重さを削減したことが特長となる。
電池を搭載している部分が見られるようにバスの内部の一部を透明加工したほか、バス内に家庭用コンセントを設置し、リチウムイオン電池を緊急時の電源に使用できる仕組みにした。サントリーは、短距離走行が工場見学のバス運行に適していることから導入を決めた。当面は、往復約1.6kmの天然水工場の見学ツアー「天然水ガイドツアー」に電気バスを活用する。
電気バスの充電には、工場内にある太陽光パネルで発電した電力も使い、発電から運行まで環境負荷を低減する。紙屋教授が手掛ける電気バス開発は、環境省や経済産業省のモデル事業になったこともあり、工場は走行データを教授の研究室に伝えて協力する。工場は、野鳥の保護区を設けたり、水源かん養エリアの森林保全を行うなど、環境活動に積極的に取り組んでいる。【サントリーホールディングス(株)】