一般財団法人環境イノベーション情報機構
中国の野生植物の乱獲規制の実施受け検討 輸入依存度が高い薬用植物の利用課題をとりまとめ
【エコビジネス その他(エコビジネス)】 【掲載日】2002.03.22 【情報源】厚生労働省/2002.03.20 発表
厚生労働省は平成14年3月、カンゾウ、マオウなどの薬用植物の利用に関わる課題についての検討結果を中間とりまとめとして公表した。古くから漢方製剤の原料として使用され、現在日本が中国からの輸入に頼っているカンゾウ、マオウについては、中国側から野生植物の乱獲が砂漠化を招くとの観点から規制が実施されるようになり、採取が困難となってきている。
またカンゾウ、マオウだけでなく、日本で消費される薬用植物は、一般に海外からの輸入依存度が高く、国内生産量が50%を超えるものは、わずかに6種。総合的な国内自給率は10%を下回るものと推定されている。
今回の中間とりまとめは、このような状況を受け、日本側として今後必要な対応について検討を行った内容をまとめたもの。
報告によれば、日本が早急に実施すべき課題として、(1)従来から地方自治体が実施している薬用植物栽培研究の継続、(2)輸入量が制限される可能性の高い薬用植物についての情報収集(3)日本国内でのみ生産されている薬用植物の選定、優先付け、(4)計画的な有用薬用植物の栽培−−などがあげられている。
また特に、カンゾウ、マオウの栽培手法の確立は早期に取り組むことが必要であるため、国立医薬品食品衛生研究所や地方自治体の植物園で栽培実証とあわせた調査研究に取り組むこととしており、同時に実際に輸入を行っている民間レベルでの環境・資源確保に配慮した栽培技術協力も重要であると指摘されている。【厚生労働省】