一般財団法人環境イノベーション情報機構
ダイオキシン類の野生生物への蓄積状況と人の暴露量推計結果を公表
【健康・化学物質 ダイオキシン】 【掲載日】2002.02.22 【情報源】環境省/2002.02.21 発表
環境省は、平成12年度の「野生生物のダイオキシン類蓄積状況調査」の結果と「ダイオキシン類による人の暴露実態調査」の結果を公表した。野生生物のダイオキシン類蓄積状況調査は平成10年度から実施されているもので、(1)トビ、カワウなどの鳥類、(2)オウギハクジラ、スナメリなどの海棲哺乳類、(3)アカネズミ、タヌキなどの陸棲哺乳類−−について、ダイオキシン類の蓄積状況を測定している。
平成12年度調査では11年度調査の結果と同様、(一)他の生物に比較して鳥類のダイオキシン類蓄積量が高い、(二)海棲哺乳類は陸棲哺乳類に比較して蓄積量が若干高い−−という結果が認められたほか、平成10年度以降のデータを追跡・比較した結果では、寿命の長い鳥類や海棲哺乳類では蓄積量の変化は認められなかったものの、寿命の短いアカネズミでは有意に蓄積量が減少していることもわかった。
一方、「ダイオキシン類による人の暴露実態調査」は平成12年度から新たに実施された調査。今回は平成11年度に政府機関や地方公共団体が行った各種調査を基に人の経路別暴露、個人の総暴露量の推計を行っている。
推計の結果、平成12年の個人の総暴露量は2.3pg−TEQ/kg/日となり、摂取経路は食事からの摂取が約9割を占めているとされた。なおこの結果は、従来の他の推計とほぼ同様の傾向を示したものとなっている。【環境省】