一般財団法人環境イノベーション情報機構
2010年2月の上空オゾン量、紫外線強度を公表
【地球環境 オゾン層】 【掲載日】2010.03.24 【情報源】気象庁/2010.03.23 発表
気象庁は、札幌、つくば、那覇の国内3地点と南極・昭和基地で実施しているオゾン層と地上に到達する有害紫外線の強度の状況に関する2010年2月の観測結果を発表した。国内3地点の月平均オゾン全量(ある地点の上空のオゾン総量)は、参照値(注1)と比べ、札幌は1.9%増、つくばは1.3%増、那覇は5.1%増であった。また昭和基地は参照値より、8.2%少なかった。
一方、国内3地点の日積算紅斑紫外線量(注2)の月平均値は、参照値である観測開始(注3)〜2008年の月別累年平均値と比べると、札幌及び那覇は何れも並で、それぞれ1平米あたり0.63キロジュールと1.59キロジュールであった。また、つくばは少なく0.90キロジュールであった。
国内全域の日最大UVインデックス(注4)の月平均値のデータでは、北海道北部、東北南部以南から沖縄本島以北にかけての広い領域で参照値(注5)より10%以上小さかった。また、関東、対馬、五島、トカラ列島では参照値より20%以上小さかった。
米国・航空宇宙局(NASA)の衛星のデータから作成した全世界の月平均のオゾン全量分布について、参照値である1979年から1992年の月別平均値との偏差を解析した結果では、北半球高緯度の北緯65度・西経30〜東経110度付近の領域と、北アメリカの北緯40度・西経100〜80度付近の領域で10%以上多かった。北アメリカの北緯60度・西経90〜50度付近の領域では10%以上少なかった。
(注1)札幌、つくばは1971〜2000年、那覇については1974〜2000年の月別平均値。また、昭和基地についてはオゾンホールが明瞭に現れる以前の1961〜1980年の月別平均値。
(注2)紫外線が人体へ及ぼす影響の度合を示す量。紫外線が人体に及ぼす影響は波長によって異なるため、280〜400ナノメートルの波長範囲について、波長ごとに波長別紫外線強度に人体への相対的影響度を掛け、積算して求める。
(注3)日積算紅斑紫外線量の観測開始は、札幌、那覇が1991年、つくばが1990年、昭和基地が1993年。
(注4)紅斑紫外線量を日常使いやすい数値にしたもの。気象庁では上空のオゾン量データや、気象台やアメダスで観測された気象データなどを基に毎時の数値を推定している。
(注5)1997〜2008 年の月別累年平均値で、平均的な日最大UV インデックスの状況を示す。
【気象庁】